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2008年05月17日

『バンドライフ』―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集(BYインタビュアー吉田豪)を読む

身内の友人の出版社から出た本という事で、書評を頼まれましたので今回は趣を変えまして本の紹介です。

幸い頼まれた本が、丁度自分が購入を検討していた本だったので、即Amazonで購入。
80年代のバンドブームを彩ったバンドマンのインタビュー集なのですが、インタビュアーが吉田豪氏という事で非常に興味深い内容でした。プロレス関連で名前が挙がる事が多かった為、そのジャンルでのイメージが強かった吉田豪氏だったのですが、良い意味で期待を裏切ってくれましたし、実際吉田豪氏は音楽にも非常に造詣が深い方だったので、かなり踏み込んだインタビュー内容で質も高く、一気に本を読み上げることが出来ました。
インタビューを受けている人の半分以上は自分がリアルタイムで聴いてきたバンドの方ですし、非常に感慨が深い内容だったのですが、同時に今まで名前だけで聴く機会が無く通り過ぎていたバンドの音源を買い漁りたくなるという罪作りな内容でもありました。

以下がインタビューが収録されている20人の錚々たるメンバー

森若香織(GO-BANGS)、氏神一番(カブキロックス)、関口誠人(C-C-B)、ダイヤモンド☆ユカイ(レッド・ウォーリアーズ)、水戸華之介(アンジー)、中山加奈子(プリンセス・プリンセス)、阿部義晴(UNICORN)、いまみちともたか、BAKI(GASTUNK)、石川浩司(たま)、サンプラザ中野(爆風スランプ)、サエキけんぞう(パール兄弟)、NAOKI(ラフィンノーズ)、KERA(有頂天)、仲野茂(アナーキー)、MAGUMI(LA-PPISH)、KENZI(KENZI&THE TRIPS)、イノウエアツシ(ニューロティカ)、ダイナマイト・トミー(COLOR)、大槻ケンヂ(筋肉少女帯)

これらのバンドマンの生い立ちやバックグラウンド、当時のバンド内で起こった事はもちろんの事、この本の多くを占めているのはドロドロとした「金」や「音楽業界」の裏側や歪んでいく人間関係の話。
当然、当時は表立ってなかった話が殆どですので、当時の業界の裏側も覗き見る事が出来ます。
それにしてもバンドマンは儲からない職業で、その有名税と引き換えに得られる収入の少ない事少ない事。煌びやかに見えた日本における80年代のバンドブームも、蓋を開けて覗いてみれば事務所やレコード会社がバンドの取り分を搾取しただけという身も蓋もない事実が赤裸々で、非常に考えさせられます(もちろん契約という名の下だが、当時はその辺がかなりいい加減)。
このように書いてしまうと、恨み辛みが多い非常に暗いインタビュー集かと思われるでしょうが、決してそんなことは無く、全てのバンドマンが前向きで明るく、笑い話として当時のエピソードを語っています。

特に印象に残ったのは関口誠人氏、いまみちともたか氏、BAKI氏、NAOKI氏、KERA氏あたりのインタビューで、色々な大人の事情と音楽家としてのプライドや自我との葛藤が見て取れる非常に価値の高いテキストになっていると思います。

そして、このインタビュー集の優れている点は、当時の音楽シーンを読み解く事で日本の音楽シーン自体の歴史を顧みる事が出来るという点なのですが、同時に横で繋がっているバンド同士の関係性も読み取れる点も素晴らしいです。
深く掘り下げられた其々のインタビューを縦軸と横軸でリンクしながら展開させている事が、このインタビュー集を一方の視点だけに偏ったテキストにさせていないし、歴史的な資料として価値の高いインタビュー集へと昇華させているのではないかと思います。

band-life表1_4帯アリ.jpg


バンドライフ―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集
吉田 豪
4862016146


ということで、1970年前後に生まれた音楽リスナーの方にはドンピシャの一冊であり、それ以外の世代の方には日本の音楽シーンの歴史を補完する貴重なインタビュー集である一冊。

自信を持って必読といえると思います。



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