これがStone Rosesを聞いた最初の印象。
それから、時が流れてセカンドアルバムでありラストアルバムである『Second Coming』が発売され、多分タワーレコードの試聴機で試聴したんだと思うんだけど、「Breaking Into Heaven」のイントロの長さに敢え無く撃沈。
ただ、そのグルーヴがひたすら耳に残ったので、すぐに評価の高ったファーストアルバムを買う。爆音で聞く事で、そしてそれまでは気付けなかった音の粒子とリズム隊に出会う事となる。上っ面のメロディと雰囲気だけで聞いていた事を反省。
これが自分とStone Rosesとの出会い。
という事でStone RosesのDVDが安価で再販されたので雑感程度に感想を。
(再販前は6,000円位だったのがamazonなら3,000円以内で買えます。三ヶ月限定らしいのでご注意を)
ザ・ストーン・ローゼズ DVD
ザ・ストーン・ローゼズ

最初にDVDが発売された時はビデオで持っている映像もありましたし、いくらなんでも高すぎるだろうと思ったので購入を見送っていたのですが、この価格ならばと迷わずに購入しました。
内容として
BlackpoolでのLiveは素晴らしい。
「I am The Resurection」の後奏も当然素晴らしい。
Video Clipsにも大好きな「Standing There」が入っているのが素晴らしい。
個人的にはこの辺がお勧め出来る部分。
他にも
TVでのPeformanceはほぼ口パクだけど、「Made of Stone」でキレているIan Brownや「Waterfall」で服に穴が開いているように見える小汚いIan Brownも確認出来るし、くだらないインタビューにくだらない皮肉で答えるIan BrownとJohn Squireの在りし日の姿も確認出来ます。
今思えばStone Rosesはパクリバンドの最先端だったのではないかと思っていて、当時から彼らは60年代のバンドの焼き増しと揶揄されていたし、渋谷陽一氏にも酷評されていました(特にThe Byrdsと比較されていた記憶があります)。
だけど、その後の音楽シーンを見てみるとどのバンドも時代の焼き増しに過ぎないという事が露見してしまいます。
2000年代以降は特に顕著で、○○のようなサウンドとか○○のようなメロディという枕詞が当たり前のようにCDの帯や雑誌に踊っているわけです。
つまり、Stone Rosesは露骨に過去のロックを現代風に解釈し、新たなバンドサウンドとして届ける事で支持を得た最初のロックバンドだったのかもしれないなと。もちろん、ManiとReniの強力なリズム隊に支えられたサウンドの軸はファンクやソウルの下敷きがあったし、メロディが60年代的でサイケデリックなものだったとしても、その組み合わせで生まれたサウンドは当時としては画期的なものだったのだと思います。
また、DVDを見直すとその見た目のインパクトの強さが目につき、多分オリジナルメンバーである4人のキャラが異様に際立っていた事も、Stone Rosesが後世まで名前の残るバンドになった要因ではないかと改めて感じました。
Ian Brown
歌が革命的に下手(これが画期的)、見た目が猿、ビックマウス。
John Squire
寡黙で天才肌のアーティスト気取り。
Mani
陽気で凄腕のベースマンで一番コミュニケーション能力に長ける。
Reni
凄腕のドラマーで帽子がトレードマーク。
この四人がしっかりスクラムを組んで、自分達にスポットライトを当てずにオーディエンスに光を当て続けた事が、時代風景やバンドのサウンドと重なって、イギリスでカリスマ的な人気を呼んだのだと思います。
結局、一枚岩のダムのようなチームワークを誇ったStone Rosesは羽をもがれる様にバラバラになり、決壊してしまうのですが、そのストーリー性も含めてロックバンドだったわけでして、当時はその解散劇にも注目が集まりました。
2000年代にはStone Rosesの様なストーリー性を持ったバンドは登場しないだろうし、たとえStone Rosesが再結成したとしても、DVDの中に鮮烈に描かれたStone Rosesは戻ってこないでしょう。
自分にとってStone Rosesを聞き続ける事はノスタルジーではなく現実。そして結局のところ、未だに戦い続けているIan Brownに対する想いからなのだと思います。
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