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2007年12月10日

Ben Leeが辿り着いた快心の到達点『Ripe』。

海外の映画を見ていつも思うのは子役の素晴らしさで、ただ単に印象に残るだけでなく、その映画の出来そのものをも左右する重要な役割を果している事も多いように思います。
だけど、映画の歴史に名を残したであろう子役の将来が確約されているかといえばそうでもなく、大人になるにつれて色々な意味で変貌を遂げた子役も多くいます。また、不思議な事に子役でデビューし、大成した女優は名前が挙がってくるのですが、男優では中々名前が挙がってきません。
最近の俳優でいうと例えばダコタ・ファニングやナタリー・ポートマン、クリスティーナ・リッチ。
それに比べて男優陣はハーレイ・ジョエル・オスメント、マコーレ・カルキン、ブラッド・レンフロ・・・
この傾向はハリーポッターなんかを見ていても感じられます。
「幼子の顔は七回変わる」と言いますが、幾らなんでも変わりすぎだろうという子役もいるし、人生そのものが大きく変わってしまった子役を見ると切なくてむず痒い気持ちにもなってしまいます。

もしかすると若くしてデビューしたアーティストが大成するのは珍しい事で、これはミュージシャンにも言える事なのかもしれません。


という事で今回は若くしてデビューしたミュージシャンが見事に変貌したというお話。

三十路手前にして既にキャリアが14年程あるBen Leeの最新作『Ripe』はキャリアを総括するというよりも新しい到達点に達したもので、今年発表されたシンガーソングライターの作品の中でも突出した作品となりました。
この『Ripe』という作品は、Rachel Yamagata、Rooney、Mandy Moore、Charlotte Martin、Benji Maddenと多数のゲストを迎えて製作されており、ゲストの存在が楽曲の雰囲気を壊さずに表現を押し広げている事で非常に風通しの良い作品となりました。
アルバム製作において多彩なゲストを加える事自体は珍しい事ではないのですが、どこか貼り合わせた様な違和感が残る作品も多いので、一貫した音の感触を保ち統一感のある『Ripe』はゲストの参加が良い結果をもたらしているといえるでしょう。

明らかに外にベクトルが振れている今作は、どの曲も甲乙付けがたく素晴らしい出来なのですが、まずRooneyが参加した「American Television」が最高で、Good CharlotteBenjiが参加しハードロックをパロディにしたようなアッパーな曲も最高(その名も「Sex Without Love」《頭のメロディがまるでボンジョビ!》)。
しかしもっと最高なのは女性ヴォーカルをゲストに加えた一連のミドルチューンとバラードで、しっかりとアルバムの骨格を作り上げています。
また、歌詞の面では基本的にラブソングで等身大の言葉で埋め尽くされていて単純な単語の繰り返しが目立つのですが、JAY-Zが登場したり、「Numb」の様に自身の心中を吐き出すような切ない歌詞があったりと、耳に残る言葉が多いのも『Ripe』の特色ともいえるでしょう。

Ripe
Ben Lee
B000T2PRMK

国内盤にはボーナストラックもライナーも無く対訳のみなので、安価な輸入盤がお勧めです(歌詞もそんなに難しくないので)。


正直なところ、Noise Addictとしてキャリアをスタートさせ、オルタネィティブの寵児として登場したBen Leeがこんな地点に到達してくるとは想像も付きませんでした。
これは所謂、嬉しい誤算というわけでして彼のキャリア上もっともポップで野心的な作品に辿り着いた事が微笑ましくて楽しくて、音楽業界もまだまだ捨てたものじゃないぜと思わせてくれます。
Ben Leeがこの様な作品を生み出した背景にはThe BensBen FoldsBen Kwellerとの三人ユニット)の影響が少なからずともあるのではないかと思います。特に昨年、傑作『Ben Kweller』を発表したBen Kwellerの影響が大きいと思われ、内側に向かいながら一つの到達点を迎えたBen Kwellerと、外側にベクトルが向きだしたBen Leeの作品は一見対照的ですが、根底に流れるメロディの素晴らしさと風通しの良さは同質のものだし、様々な共通点を感じずにはいられません。

Ben Kweller
Ben Kweller
B000H7ZZYM

まるで双生児の様な『Ben Kweller』と『Ripe』。


キャリアが長いとはいえ若いBen Leeですので、音楽活動はまだまだ続くだろうし、『Ripe』以降の音楽活動の方が長い期間になるのかもしれません。
タイトルの通り「熟した」Ben Leeが今後どのように変貌していくのか注目したいと思います。


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