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2007年11月07日

Radioheadの『IN RAINBOWS』の購入金額と無料ダウンロードを考える

当サイトでも取り上げた、自由に価格を決める事が出来るRadiohead『IN RAINBOWS』ですが ITmedia News分かりやすい数字が出ていたのでご紹介。

10月1〜29日の間にIN RAINBOWSのサイトにアクセスした人は全世界で120万人。そのうちかなりの割合がアルバムをダウンロードしたという。ダウンロードした人のうち、お金を払ったのは約40%だった。全世界では、有料でダウンロードした人は38%、無料でダウンロードした人は62%。米国では40%が有料、60%が無料でダウンロードした。
 また購入者が支払った金額は全世界で平均6ドル。ただし、無料ダウンロードした人も含めると平均価格は2.26ドルに下がる。
個人的にはお金を支払っている人の割合は意外と多いものの、単価自体は安いかなといった感想を持ちました。もちろん、無料でダウンロード(※予約の段階では当初手数料が設定してあったと思うのですが、一般公開時にはフリーでダウンロード出来たようです)した人が多かった為、単価は下がっていますし、お金を支払った人の中には対価を支払うというよりも募金的な意味合いで、決済した人も多かったのではないかと推測しています。

しかし、P2Pとかその辺のお話さんの記事によると

CDの売上に対し金額に対し5%のロイヤリティしかえられなかったのが、セルフパブリッシュでは購入金額の90%以上を手にすることができる
という事なので、Radiohead『IN RAINBOWS』がアーティスト側から見ると強ち安い価格でダウンロードされたという訳では無かった事がうかがい知れます。


ちなみにRadiohead『IN RAINBOWS』に引き続き、既発音源の7枚組のBOXSETの発売を敢行。

内容はオリジナルアルバムの『Pablo Honey』『The Bends』『OK Computer』『Kid A』『Amnesiac』『Hail to the Thief』にライブアルバムの『I Might Be Wrong: Live Recordings』を加えたもの。
これがデジパック仕様で特製ボックスに収められており、RADIOHEAD STOREでは39.99ポンド(約9.600円)になっています。
ちなみにこのBOXSETは一般のCDショップなどでも流通するようです。

まあ、ここまでは良くある話なんですが、加えてこの音源をUSBスティック(4GB)に収録したものが販売されるのが面白いところで、形状もあのキャラクターをかたどったものになっています。このUSBスティックのファイルの形式はWAV形式になっているので、容量は大きいですが高音質だと思います。ちなみにこのUSBスティックはRADIOHEAD STOREのみの販売では79.99ポンド(約19.200円)になっています。

さらにこのBOXSETは「DRMフリー」のMP3形式(320kbps)でもダウンロード配信され、こちらは34.99ポンド(約8.400円)。

やるからには徹底するのがRadioheadらしいといえばらしいのですが、価格的には高めなので、コアなファン向けといったところでしょうか。
個人的には一番需要がなさそうな「DRMフリー」のMP3形式での販売がどの程度の売り上げを上げるのかが興味深いです。

RADIOHEAD STORE

ザ・ベンズ
レディオヘッド

ザ・ベンズ
OK コンピューター パブロ・ハニー KID A アムニージアック OK Computer
by G-Tools


無料ダウンロードされたほうが利益は上がるのか?

という議論に一石を投じ、興味深いデータを提供してくれたRadiohead『IN RAINBOWS』ですが、個人的には一つの方向性を提示したに過ぎないと思います。

なぜなら、この手法はRadioheadほどのネームバリューがあるアーティストだから成立したに過ぎないと思うからであって、無名のアーティストのプロモーションには適していないように思うからです。
インターネットを利用したプロモーションは一見お金が掛からないように思えますが、実はそうでもなくて、無名のアーティストが独自にプロモーションをするには限界がありますし、今後インターネットを使ったプロモーションが盛んになる事によって、有効なインターネット上の広告の単価自体が上昇する恐れもあります。
Radioheadの取った販売方法は一見画期的な販売方法なのですが、その裏には綿密なマーケティングとプロモーションがあった事が予想されます。
意地悪な見方をすれば、今回の7枚組のBOXSETの販売の用意周到さから考えて『IN RAINBOWS』がただの布石に過ぎなかったようにも感じます。
広く無料で配った商品により顧客をリスト化し、リピーターやヘビーユーザーを育てていく手法は、通販業界やダイレクトマーケティングの業界ではごく一般的で(無料サンプル差し上げますという広告を良く目にするはず)、Radioheadもその手法を倣っているように思えます。つまりRadioheadの一連のアクションは、極当たり前の戦略といえば戦略というわけです。

個人的にアーティスト側やレコード会社は無料ダウンロードそのものの是非にだけに目を向けるのではなく、その無料ダウンロードがもたらすプロモーション効果に沿った販売戦略を考えるべきだし、リスナーの幅広い選択肢の一つにダウンロードがあるという事を、もっと認識すべきだと考えており、今後、その辺を意識した販売戦略は増えていくのではないでしょうか。

ただ闇雲に無料ダウンロードを仕掛ければ良いとは思わないし、あくまでもリスナーとアーティストを密接に繋ぐ為の道具であるべきだと思っています。
人間は思い入れや共鳴が全く無いものに心は動かないですし、感情を揺り動かすものの象徴的な存在として音楽という文化があるわけですから、音楽がもし無機質なだけの道具と化してしまうのなら、その未来は無いと思っています。

無料ダウンロードが単なる道具となるか、それとも感情に訴えかける手段の一つになるか。

そこに提供する側の意思が表れるのではないでしょうか?



まあ、その辺を含めて新しいアーティストのプロモーションに特化した将来性のあるサイトにmusiraを発展させていく構想もあるのですが、そのお話はまた別の機会に。


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