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2007年06月28日

Paul McCartneyのPaul McCartneyたる所以『Memory Almost Full』

Beatlesについて考え出すと、尽きる事無く妄想は膨らむ続けるのですが、自分にとってのBeatlesは年齢と共に変化してきました。

幼少の頃、Beatlesの関わる言葉の中で最初に憶えた単語はJohn Lennon、そしてYesterday

で、Paul McCartneyを知るのはYesterdayを作った人としてじゃあなくて、Beatlesを解散させたメンバー。

捻くれ者の自分はGeorge Harrisonの曲ばかり聞いてみたり、John Lennonのアバンギャルドな一面に心惹かれたり。

結局Paul McCartneyを追いかけたのは、「The Long and Winding Road」にはまってから(これだってきっかけはチューリップの青春の影にそっくりだったから)なので、結構遅かった気がします。
だけど、結局のところBeatlesのメンバーのソロアルバムで一番聴いているのはPaul McCartneyの作品(一番作品数が多いことを差し引いても)で、いつの間にかに自分の中でBeatlesを構成する要素の中で最重要因子になってしまった。

それが自分にとってのPaul McCartneyという事になります。


そんなPaul McCartneyの新作『Memory Almost Full』が、以前も少し紹介したスターバックスのレーベル「Hear Music」から発売になっています。

既に「Dance Tonight」があちこちで流れていますので、この曲を耳にした人は多いと思います。「Dance Tonight」を初めて聞いた時は他愛の無いPaul McCartneyらしい良い曲だなと思っていたのですが、聞けば聞くほどこの曲はそんなレベルじゃないな・・・と、いつの間にかに洗脳されてしまったようです。
「Dance Tonight」を聞いてまず最初に、マンドリンの音が耳に残ると思うのですが、Paul McCartneyの曲でマンドリンを全面にフューチャーした曲というのは記憶に無く、その意味では新境地になるのかもしれません。「Dance Tonight」のコード自体は3コードの単純なものに聞こえるし、メロディも二つのラインだけで構成され、楽器も必要最低限。しかし、そのメロディと最小限の音にとどめたアレンジ自体が近年のポピュラーミュージックに欠けていたものであり、シンプルイズベストを高らかに宣言しているように聞こえるこの曲の、本当の意味での凄まじさは、一聴して理解できる類のものではないのだと思います。
この様に「一見他愛の無い曲だが実は・・・」みたいな曲ををサラッと書けてしまうのがPaul McCartneyのPaul McCartneyたる所以だと思うのですが(多分、本人は意識してないと思うのですが)、今作『Memory Almost Full』はその才能が真直ぐに発揮された傑作だと思います。

まず冒頭3曲の流れが素晴らしく、ここでもう既にいわゆるポップでロックンロールなPaul McCartneyの王道を見せつけており、冒頭3曲でやられてしまうアルバムの時点で今作が傑作である可能性ははるかに高いというわけです。
また、今作はシンプルな音に寄り添うようにシンプルな歌詞も目立ち、3曲目のバラード「See Your Sunshine」の歌詞は離婚したヘザー・ミルズに向けられたものだと言われているのですが、これは多分Paul McCartneyの素直で正直な気持ちなのではないかなと思います。
だけど、歌詞や主張が本人が意図していない方向に解釈されてしまうのもPaul McCartneyらしいところで、きっとこの曲も皮肉だと解釈されてしまう。
しかし、それこそPaul McCartneyのPaul McCartneyたる所以ではないかとすら思わせてしまいます。

そして、このアルバムが単純なロックアルバムで終らないのは、「Vintage Clothes」の様に遊び心が効いた実験的な曲を皮切りに、メドレー的に曲が連なっていくというハイライトをアルバム終盤に用意している部分を見ても明らかであり、この流れを組み込んでいる事が今作をPaul McCartneyの2000年代を代表する作品に押し上げている要因になっていると思います。

Memory Almost Full (Ltd. Deluxe Edition)
Paul McCartney
B000PMLFRU


Paul McCartney - Memory Almost Full


ちなみに自分が購入した『Memory Almost Full』は二枚組の限定盤で、ボーナスディスクにはボーナストラックと本人による全曲解説インタビューが収録されていて、英語に堪能ではないので、細かいニュアンスは分からないのですが、Paul McCartneyがノリノリ(のように聞こえる)で解説してくれます。
レコード全盛期を髣髴させる特殊パッケージも無駄に豪華で楽しめます。

価格もそれほど高くは無いので、興味がある方はこちらをお勧めいたします。


最初聞いた時、「Dance Tonight」のメロディは「I've Got a Feeling」のジョンのパート(※)に雰囲気が似ているなと思ってて(Everybodyですしね)、多分これも本人は意識していなかったんだろうけど、何だかそれも嬉しくて微笑ましくて。


未だに新しく色々な想像を膨らませる事が出来るBeatles。
いつまでも沢山の人に聴かれ、続いていく音楽。
それこそがポピュラーミュージックというものだから



※アルバム『Let It Be』に収録。「I've Got a Feeling」はポールの「I've Got a Feeling」と、ジョンの「Everybody Had A Hard Year」をミックスさせた曲。ここでは「Everybody Had A Hard Year」の部分を指す。


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