面白い事に60年代に日本では製作資金の提供者のみがプロデューサーと記載されることもあったそうで、レコード会社のディレクターが、現在の所謂プロデューサーの仕事もこなしていた場合があったと言われています。
ひと口にプロデューサーといってもサウンド面だけのプロデュース(サウンドプロデューサー)もありますし、楽曲の提供(コンポーザー)としての役割を果たしている場合もあります。
さて、今アメリカのロック・ポップスのジャンルにおける人気プロデューサーといえばFountains of WayneのAdam Schlesinger(アダム・シュレンジャー)の名前が挙がります。
Adam Schlesingerは自身のバンドであるFountains of Wayne(Ivyというバンドもやっています)での活動の他に、プロデュースや楽曲提供の活動が目立つ人で、多くのサントラに関わっています。
※Adam Schlesingerがサントラに関わった主な映画
「That Thing You Do!」「Robots」「There's Something About Mary」「Me, Myself and Irene」「Josie And The Pussycats」「Scary Movie」「Art School Confidential」 「Insomnia」「Fever Pitch」「Orange County」「Two Weeks Notice」
中でもトム・ハンクスが監督を手がけた映画「That Thing You Do!」のサントラを手がけた事が話題になり、この映画がきっかけで一気に人気プロデューサーとして名を馳せる事になりました。
That Thing You Do!: Original Motion Picture Soundtrack
Original Soundtrack
もちろん、サントラ以外にも引っ張りだこのAdam SchlesingerはBowling For Soupなどのバンドをはじめ、数え切れないほど多くのアーティストに楽曲を提供しています(変わったところで、佐藤竹善の楽曲のプロデュースなど日本のアーティストも手がけています)。
そして、様々な音楽活動を経たAdam Schlesingerが久しぶりに本来のバンドでの活動に戻り、満を持して発売されたFountains of Wayneとしての新作『Traffic and Weather』は課外活動に負けないほどの活力と甘いサウンドに満ち溢れた意欲作となっています。
一聴すると地味な印象を持つ人が多いかもしれませんが、今作のアルバムとしてのトータルクオリティは前作『Welcome Interstate Managers』を遥かに上回っている事は間違いありません。前作は「Mexican Wine」「Bright Future In Sales」「Stacy's Mom」と冒頭の三曲のクオリティが高すぎた為、その後の曲が単調で饒舌になりすぎた感があり、アルバムとしての統一感にも欠けたのですが(そしてアルバムの収録時間が必要以上に長く感じられる結果になった)、今作『Traffic and Weather』ではその辺を修正して来ています。
Welcome Interstate Managers
Fountains of Wayne
Adam Schlesingerはトータルプロデュースより一曲をプロデュースする事の方に適正があるのかも知れませんが、今作はアルバムトータルで見てもバラエティに富んだサウンドのバランスは非常に良いです。
いきなり腰砕けになる一曲目の「Someone to Love」をへなちょこなダンストラック風に仕上げてしまった事にも余裕を感じるし(ここまでベタッとしたサウンドに仕上げなくても幾らでもアプローチはあったはず)、その後、すぐにお得意のサウンド「'92 Subaru」で聴いている者を自分達のフィールドにしっかりと引き戻します。そして、中盤の「Fire in the Canyon」「This Better Be Good」の甘いポップソングでこのアルバム一番のハイライトを作り出しています。全体的に若干糖分多めですが、何よりもリズム面での引き出しが増えた為、最後まで間延びせずに聞く事が出来ます。
この作品を作り出した事によってAdam Schlesingerは、前作で獲得したグラミー賞以上のアーティストとしての正当な評価を受ける事になると思います。
何よりも10年以上の間、これだけの数の曲を書き続ける事自体が素晴らしいし、ポップミュージックのフィールドにおいて最も評価されるべき事なのだと思います。
Traffic and Weather
Fountains of Wayne

Adam Schlesingerは日本でも4/21公開の「Music and Lyrics」(邦題、ラブソングができるまで)の中で三曲ほど手掛けています。某通販サイト等では「FOWのアダムが全面的プロデュース!!」という解説がしてあり思わず買ってみたのですが、全面プロデュースと言えるほどは関わってないのでご注意を。
Hugh Grantと新人のHaley Bennettが意外としっかり歌えてますがDrew Barrymoreが・・・
TVスポットなどでも流れていますがAdam Schlesingerがプロデュースしている「Way Back into Love」という曲は映画のサントラにピッタリの小品となっていますので、興味のある方はこちらもどうぞ。
Music and Lyrics
Original Soundtrack

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