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2007年03月05日

国境を越えるIdlewildの新作『Make Another World』

日本にいると中々実感がわかないのですが、イギリスという国は複雑な国でして、正式名称はグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国でイギリスという呼び名は通称でしかないわけです。
ご存知の通り、イギリスはイングランド (England)、 ウェールズ (Wales)、スコットランド (Scotland)、 北アイルランド (Northern Ireland) の四つの非独立国の集まりです。
自分達が良く使うUKという単語もUnited Kingdomの略ですので連合王国という意味になります。

ですので、ひとことにイギリスといっても、そこには日本人の理解が及ばない歴史的で民族的でデリケートな問題もあるわけです。

その中でスコットランドは独自の文化や音楽を育んできた場所でもあり、非常にトラッドで暖かみのある作風の音楽を沢山生み出した場所でもあるわけです(スコッチだけではないのであります)。

そんなUKはスコットランド出身のバンドIdlewildの新作『Make Another World』は今までの作品の総決算的な内容になっています。
個人的には前作ほどの驚きや感動は無いけれども、胸を張ってお勧めできるバンドになったものだと感慨が深い一枚です。

元々IdlewildはUSインディーズの要素を取り入れたUKバンドとしてデビューしたわけですが、この系譜の音を鳴らしているUKのバンドの名前がほとんど挙がらない中で、唯一で独自のポジションを築き上げてきたバンドといえると思います。
もう、ハッキリと断言してしまえば、初期のR.E.M+UKロック=Idlewildの構図はどうしても浮かんでくるわけで、これはあちこちで書かれていることだと思いますがボーカルのRoddy WoombleR.E.Mの影響を受けているのは明らかであって、それを隠すわけでもなく高らかにUKの音に昇華させていると思うのです。
デビュー当時からマイケル・スタイプ+モリッシー的なボーカルである事は指摘されていたのですが、自分がハッキリとマイケル・スタイプの影を感じたのはRoddy Woombleのソロアルバム『My Secret Is My Silence』(名盤)であって、Roddy Woombleの歌声が穏やかになり、ルーツに迫れば迫るほどスタイプ色が顔を覗かせます(音楽的には少し離れる部分もありますが)。
ソロアルバムではスコティッシュなトラッドミュージックを普遍的なフォークソングとして奏でているRoddy Woomble
作中で随所にフューチャーしてあるKate Rusbyのボーカルが彩りを加えており、全体的に暖かい作品となっています。
また、Idlewildの盟友Rob Jonesや奥さんであるSons & DaughtersAilidh Lennonが参加している事が肩の力が抜けた作品になっている要因のひとつになっているのだと思います。
余談ですがプロデューサーのJohn McCuskerKate Rusbyの旦那ですので、二組の夫婦がこのアルバムには参加しているという事になります。そりゃー素敵で暖かい作品になるわけです。

My Secret Is My Silence
Roddy Woomble
B000GFKUJU


話をIdlewild本体に戻します。
今作の『Make Another World』は非常にバランスが取れた作品だと思うし、前作『Warnings/Promises』(超名盤)の穏やかさに不満があったIdlewildを昔から聞いているファンも納得の出来ではないかと思います。

Warnings/Promises
Idlewild
B00076SJ5U


微妙な表現ですが『Make Another World』R.E.Mのキャリアで言えば『Monster』のような作品ではないかと思います(一般的に評価に低い『Monster』ですが、自分は好きな作品です)。
Idlewild一番ポップで【D・I・S・C・O】(PV参照)な「No Emotion」R.E.M「What's the Frequency, Kenneth?」的な名曲としてとして存在感を放ち続ける事になると思います。
ただ単に昔のパンキッシュで攻撃的なIdlewildが帰ってきたというより、前作の路線を継承しつつも原点に帰ろうとしたことが生んだ進化であるといえると思います。
前作よりキラキラしてメロウな部分が減ったとはいえ、ギターの音色が格段に響く今作は、現在のIdlewildの健全なバンドの状態を現しています。

Monster
R.E.M.
B000002MU3


Make Another World
Idlewild
B000NJWJHA


スコットランドから出てきたIdlewildが、ジャンルや国境を超えて多くの人が聞くべき音楽を奏でるバンドになり、そしてUSロックとの架け橋になろうとしている。

その意味でもIdlewildは素晴らしいバンドだと思います。


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