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2006年11月01日

BECKの遊び心『The Information』によせて

BECKのニューアルバムに関して少々。

ベックのニュー・アルバム『The Information』が、UKチャート入りを認められなくなった。Official Chart Company(OCC)は、同作には“おまけ”が多すぎると判断したそうだ。
『The Information』には全トラックの“ホーム・ビデオ”を収録したDVD、ジャケットのアートワークを自由にデザインできるステッカーが付随しているが、英チャートを監修するOCCはこれを他のアルバムに比べ「アンフェア・アドバンテージ(不公平な優位性)」を持つと見なした。

ベックは、OCCの決定にチャート入りしようがしまいが「大した問題じゃない」と感想を述べている。「CDのアートは買って聴いてみようという意欲を促進するもの。最終的には(チャート入りは)関係ない。ファンからの反応は、かなりいい。それが1番大切なことだ」とBillboardで語っている。


実に無粋な話だなーと思うのです。


もはやBECKレベルのアーティストなら、チャートアクションにさほど興味は無いでしょうし、本人が述べている通り、今回のパッケージはリスナーを音楽に向ける為の手段でしかありません。
このパッケージに私自身はBECKというアーティストの表現者としての誇りや才能をヒシヒシと感じました。
実際に購入してみると良く分かるのですが、このCDには想像力と遊び心が溢れていて、思わずニヤニヤしてしまいます。
まず、ジャケットは方眼紙のような仕様になっており、そこに自分の好きなようにシールを貼る事ができ、オリジナルのアートワークを作る事ができます。加えて全15曲収録(輸入盤)で全曲のPVが収録されたDVD付き。
もちろん、予算を掛けてないと思われるDVDはそれほど凝っていないチープな作りですけど、十分に楽しめる代物になってます。

で、このDVD付きのCDが今ならamazonで1,780円なんですよ。

さらっと書きましたが、実はこれ物凄い値段だと思いませんか?
日本国内のアーティストはDVD付き(しかも、申し訳程度のPVや特典映像)で3,500円とか3,800円とか平気で売っています。

この根本にあるのは海外のアーティストがCDというフォーマットを販売する為の販促物としてDVDを付けているのに対し、日本のレコード会社は商品単価を上げる為にDVD付きというフォーマットを出しているに過ぎないという利益誘導主義で、日本音楽業界の苦しい事情が見え隠れします(実際はDVD付きのCDは、日本ではDVD扱いなんですが、この話は長くなるのでまた次回で)。

基本的に自分がアルバムを買う時は、その内容が対価に等しいかどうかという判断でしかなく、今回のBECKのアルバムの場合1,780円なら買わざるを得ないほどの良心的な価格だと思いました。逆にこのアルバムが3,800円だとしたら急いで購入する事は無かったと思います。

今回のBECKのアルバムの件で、別の角度から日本の音楽業界の歪みが垣間見えた気がしています。

皆さんはどう感じますか?

The Information
Beck

B000HIVO64

関連商品
The Eraser
Stadium Arcadium
Empire
Shine on
Sensuous
by G-Tools

蛇足になりますが、純粋に作品に対してレビューを少々。

今回のアルバムは一聴すると地味なイメージを持つ人が多いのかもしれない。でもそれはBECKに対する期待感と安心感から生まれるものではないだろうか?
ナイジェル・ゴドリッチのプロデュースがアナウンスされた時から予想された事だが、音のバランスは良いし、クリアで非常に安心できる音の作りになっている。実際に耳を澄まして聴いてみると、そこには様々な音が溶け合って鳴っているし、決して保守的な作品と言うわけではない。ただそれと同時に、ヒップホップやフォークが本来持つ音の響きや太さやダイナミズムが若干薄れている為、全体的にさらっと聴けてしまい、印象に残り辛い仕上がりになったとも言える。
もしこの音を、デンジャー・マウスあたりがプロデュースしたらどんな音になっただろう?と邪推したい気持ちもあるが、それはきっとBECKのライブを見たら吹き飛んでしまうのかもしれない。
なぜなら、常に新しい驚きを与えてくれるBECKの音楽はライブでこそ生きる音楽だし、一流のエンターティナーでもあるBECKこそがプリンスの後に初めて誕生した新世代の王子なのだから。


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この記事へのコメント
amazonでは1780円なのか。。。

その値段ならオレも買うな。

国内盤、量販店で扱っている輸入盤とも高すぎだし、内容もそれほどなんでまだ買ってなかったんだけど。
Posted by MAZDA at 2006年11月02日 11:57
>内容もそれほどなんでまだ買ってなかったんだけど。

ども、MAZDAさん

自分も第一印象地味でしたが、家でじっくり聴くと良さがわかってくるタイプの音ですね。

もちろんこれがBECKの最高傑作とはいいませんが、トータルのクオリティとそのサービス精神を考えたらこの値段は安いですよ。
Posted by jojo(管理人) at 2006年11月02日 16:21
まぁ、BECKに限らずなんですけど、
基本的に欧米のレーベルはパッケージがうまい。
さらに価格が安い。

昔はCDは高級品という位置づけで売り始めて、
最初は日本(信濃町)と西ドイツ(ハノーバー)
にしかCD工場が無かったから、高かった。
確かどっちも\4000くらいしたよ。

87年頃、ようやくアメリカで生産が始まって・・・
日本盤\3500 輸入盤\2200と差が大きかったので、
わかる人はみんな輸入盤を買うわけです。

その後、90年くらいから流通に外盤が
普通に乗るようになったみたいで、
地方都市でも輸入盤が出回るようになると、
洋楽日本盤は値段を下げないと売れなくなった。

同時期にJ-Popが根付き始めて、洋楽を聴くのは
マニアという少数派になったので、なんとかして
付加価値をつけようと努力するわけで。
最初は「日本盤だけボーナストラック」だった。
それが今は紙ジャケなんかになってるわけです。

でも邦楽はそんなことしなくても売れるから、
10年前と変わらない値段設定、
お高い値段、CCCDなどの暴虐がまかりとおる、
さらにアジア盤が出回り・・・・と、
寒いお話は続いていくわけです。

高いものを沢山売ろうとする根性がヤですね。
東芝系のCCCDはアジア盤のパイレート防止だと
いうことらしいのですが。



Posted by あぼ2号 at 2006年11月02日 20:48
>あぼさん

日本の音楽業界は悪循環に陥っている感がありますよね。かといって海外の業界が素晴らしいかというとそうは断言できないでしょうが。

邦楽には色々な利権も絡んでるんで、すぐに変えれない部分もあるでしょうけど、そこに音楽に対する愛情があるのなら、何か変わっていく気がするんですけどね・・・
Posted by jojo(管理人) at 2006年11月02日 23:35
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